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飛びたいペンギンが日々を語る短気集中ブログ。全36日分。楽しんでってください。
by penpen-kyoudai
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カテゴリ:30日目〜( 6 )

34日目

昨日は結局
いくら待ってもニンゲンは戻ってこなくて
俺達は
岩場の影に隠れたまま一夜を明かし朝を迎え
そしてまた午後になった。
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ウェッデルちゃん、疲れちゃったんだな。
なんか全然元気なくなっちゃったもんな。

俺はウェッデルちゃんに
「大丈夫?なんか元気ないみたいだけど…」
と声をかけた。

ウェッデルちゃんは言った。
「大丈夫。
元気がないのは
疲れたせいじゃないの。
あのね、ペンゾー君。
私、一晩考えて、わからなくなってきちゃったの」

ウェッデルちゃんが
話を続けようとしたその時
聞き慣れない足音が響いてきた。

なんだ?
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俺は頭の中が真っ白になった。

でもとなりのウェッデルちゃんを見たら
e0067261_22104810.jpg

どどどどーしたのっ?ウェッデルちゃん!
早くニンゲンに声かけないと
船が出ちゃうよっ?
(出ちゃっても俺はいいけど!!)

ウェッデルちゃんは
震える小さな声で言った。

「ああ、どうしたらいいのかしら…
私、本当にわからなくなっちゃったの。
この船に
乗った方がいいのかどうか…

この船でイイトコ島に帰れるんなら
それはすっごく嬉しいんだけど…
でも、それって
もう二度とペンゾー君に会えなくなるってことよね?」
e0067261_22112210.jpg

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俺はびっくりした。
こんな大事な時に
ウェッデルちゃんが俺のこと考えて
寂しがってくれてるなんて!!


俺は
ウェッデルちゃんの手をつかんで
この海岸から走り去ろうかと思ったよ。

でもそんなことしていいのか?
ウェッデルちゃんは後悔しないのか?
俺は後悔しないのか?
ウェッデルちゃんの夢を
ここで終わらせちゃって
本当にいいのか?


ニンゲンはもう、船出の準備を始めていた。
もう時間がない!

俺は一瞬で心を決めた。

ウェッデルちゃんを
見送ろうって。

だって
ウェッデルちゃんの夢に通じる道が
いま目の前にひらけてるって時に
俺がそれを壊すなんて!
そんなこと出来るわけないじゃないか!!

俺にできることは
ウェッデルちゃんの、このめでたい出発を
「おめでとう」ってお祝いしながら
笑顔で見送るってあげることだけなんだ!


俺は夢中でウェッデルちゃんに叫んだ。
e0067261_22131350.jpg

「俺、絶対すぐ飛べるようになるから!
そしたら毎日イイトコ島に遊びに行くから!
だから、これでお別れなんかじゃないよ!
早くニンゲンに声をかけなよウェッデルちゃん!
ほら、もう船が出ちゃうよ!」

ウェッデルちゃんは
涙をいっぱい浮かべて俺の顔を見つめた。
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そしてすぐに
ニンゲンに向かって
一目散に走っていった。

俺は岩場に隠れながら
ウェッデルちゃんが必死になってニンゲンに
「連れってって」と頼んでいる姿を
見つめていた。

もちろんニンゲンには
ウェッデルちゃんの言葉は通じてないんだけど
気持ちが通じたのか
ニンゲン達は
ウェッデルちゃんをすんなり船に乗せてあげて
船から落ちないように網をかぶせてあげてから
すぐに出発した。

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ウェッデルちゃんは
ありがとう、って
何度も何度も叫んだ。

俺もいっぱい叫んだ。
「おめでとう」とか「頑張れよ」とか
「すぐ会いに行くよ」とか。
一生懸命、笑顔で叫んだ。

でも俺、ほんとはわかってるんだ。

たとえ俺が飛べるようになっても
イイトコ島なんて遠すぎて
行けやしないってこと。

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あっというまに
船は見えなくなった。

笑顔で見送ることができたと思ってたのに
気が付いたら俺の顔は
涙でぐしゃぐしゃになっていた。

きっとすっごい顔になっちゃってるよ。
ウェッデルちゃん、見ちゃったかな。

でも見ちゃったかどうかなんて
もう聞けないんだ。
もう話もできないんだ。
もう一緒に遊ぶことも
一緒にお魚を食べることも
あの笑顔を見ることも
なんにもできないんだ。



俺は
いっぱい泣いた。
おかしくなっちゃったかと思うほど
いっぱい涙が出て
止まんなかった。

ウェッデルちゃんが船に乗れたことを
喜んであげなきゃいけないのに
そんな気持ちには
全然なれなかった。


ごめんな、ウェッデルちゃん。

ほんとにごめんな。
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by penpen-kyoudai | 2005-10-05 00:50 | 30日目〜

33日目(その2)

ふ、船!?
イイトコ島行きの船が来てるのっ!?
ななななにそれ!!!!
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ウェッデルちゃんは興奮しながら言った。

「そこの海岸に船が来てるの!
さっきそばに行ってみたら
イイトコ島の匂いがしたの!
絶対にイイトコ島から来たのよ!
あの船に乗ることができたら」
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「ああ、どうしよう!
どうやったら乗せてもらえるのかしら!」

とりあえず、海岸に行ってみることにした。

ウェッデルちゃんは
「早く行かないと
船が帰っちゃうかも!」って言って
すっごく頑張って走った。
そりゃそうだよね。
だってここにイイトコ島の船が来るなんて
そんな奇蹟、もう一生無いかもしれないし。

俺も一緒に、必死で走ったよ。

でも必死で走りながら
心のどっかで
「船がもう帰っちゃってたらいいのに」って
うっすら思ってたんだ。


すごいやな奴だなぁ俺って…(涙)
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ああ…あるね……(凹)


でもニンゲンが乗ってない。
どっかに行ってるんだな、きっと。

ウェッデルちゃんが
「ニンゲンが戻ってくるまで、ここで待ってる」
って言った。
俺は「うん、そうしよう」って言うつもりだったのに
口から出た言葉は逆だった。
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「今日は誰も戻ってこないよ!
俺にはわかるんだ!
知らないと思うけど
ペンギンって予知能力があるんだよ!」

自分でもビックリするような
とんでもないデタラメが口から出て来た。
なんだよ予知能力って(涙)

そんなにウェッデルちゃんを
船に乗せたくないのかな俺。
最低だよホント(涙)
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でもウェッデルちゃんは
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って。

ウェッデルちゃんは他人を疑わないんだ。
こんないいコをだまそうなんて
俺ってほんと…(涙)
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それからちょっと困った顔をしながら
ウェッデルちゃんは言った。
「ペンゾー君のこと信用してないわけじゃないんだけど
でも私、ここで待ちたいんだ」

そりゃそうだよな。
待ちたいに決まってる。

俺は何も言えなくなって
ウェッデルちゃんと一緒にニンゲンを待つことにした。
ニンゲンをビックリさせないように
岩場に隠れながら。
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だめだなぁ俺。
ウェッデルちゃんの夢を
邪魔するよーなこと言って。
邪魔する気なんてないのに。
ないはずなのに。

俺、自分のこと
キライになりそうだよ。
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それにしても、来ないなニンゲン…


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by penpen-kyoudai | 2005-10-04 00:59 | 30日目〜

33日目

アニキが来た。
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もういいっすよ、その話は(涙



アニキの用事はグチだった。

昨日
アニキのとこにウェッデルちゃんが来て
「イイトコ島に連れてって」と
何度も何度も頼んだんだそうだ。

アニキは
イイトコ島まで飛ぶ気がないからって
断ったらしいんだけど
ウェッデルちゃんは
「OKしてくれるまで毎日頼みに来る」
って言ってたんだって。
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そ、そんなこと言われても
無理っすよアニキ!

てか、なんでそんなに
イイトコ島に行くのがイヤなんすか?
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・・・・・はぁ・・・
(それだけ言うのにそんなイバらなくても…/汗)


でも、そういえばアニキは今
休養中だもんな。
これからまた長い渡りの旅に出るために
体を休めてるのに
遠い遠いイイトコ島まで
アザラシ乗っけて飛んじゃったら
また休養しなきゃならなくなって
その分また渡りに出るのが
遅くなっちゃうもんな。


「なんとかしろ」と言うアニキに
俺はあいまいな返事をしながら
とりあえず
アニキが帰るのを見送った。



俺だって
ウェッデルちゃんに
イイトコ島に帰ってほしくなんかないよ。
でも・・・・

あ〜、このまま
ウェッデルちゃんがイイトコ島に行く方法が
見つからないままで
ずっと何年も過ぎちゃえばいいのに…


って
そんなふうに思ってちゃダメじゃん!
なに考えてんだよ俺!
俺のバカっ!(涙)





その時だった。

ウェッデルちゃんが
血相変えてうちに飛び込んできて
叫んだ。
「ペンゾー君!大変!」
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ええーーーーーーっ?


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by penpen-kyoudai | 2005-10-03 00:51 | 30日目〜

32日目

ウェッデルちゃんの夢
叶ってほしい。
でも叶ってほしくない。
でも叶ってほしい。
でもやっぱり…

うう〜〜〜〜〜
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ウェッデルちゃんの夢が叶ったら
俺はちゃんと喜んであげられるのかな。

うん、そりゃ喜ぶよ。
だって嬉しいもんな。

でもお別れなんて…

いや、でも夢が叶うのは嬉しいよ!

でもお別れなんて…

ああーーーーもうっ!
頭の中がぐちゃぐちゃだよ!
夕飯どころじゃないよ!
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こ、好物は仕方ないじゃないかっ!


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by penpen-kyoudai | 2005-10-02 00:43 | 30日目〜

31日目

俺はウェッデルちゃんに
「飛べなくてゴメン」
と謝った。
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でもウェッデルちゃんは
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「私、ペンゾー君がおもいきって飛んだの見て
すっごい感動したもの!
ペンゾー君がこんなに頑張ってるんだから
私も落ち込んでる場合じゃない!って
すごく元気が出たの!」
って、ちょっと興奮しながら言った。

そして、ありがとう、って言って
涙をいっぱいこぼした。

なんだか俺も涙が出て来て
とまんなくなって
二人でいっぱい泣いた。
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ウェッデルちゃんは言った。

「アニキさんは私の夢を
『無理』って言ったけど
でもそんなの
やってみなきゃわかんないじゃない?
未来のことなんて
誰にもわかんないもんね。
だから私
まだあきらめないことにしたの。
とにかく
なんとかしてイイトコ島に戻って
夢に向かって頑張ってみたいの」

この前まであんなに落ち込んでたウェッデルちゃんとは
別人(別アザラシ?)みたいだった。
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俺も飛んだ(落ちた?)甲斐があったよ。
かっこ悪かったけど。

なんだか俺の方が
救われた気分になって
俺もウェッデルちゃんに
「ありがとう」って言った。

大泣きしてたから
ちゃんと言えてたかわかんないけど。




ウェッデルちゃんを見送ってから俺は
ウェッデルちゃんが水族館の
アイドルになったとこを想像してみた。
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う〜ん、いいね〜。ウェッデルちゃん輝いてるよ〜。
ああ、俺も見てみたいなぁ。
俺はイイトコ島には行けないけど。


・・・・・・あれ?

ちょっと待てよ?
ウェッデルちゃんがイイトコ島に帰っちゃったら

もう会えないってこと?
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ええーーーーーーー?



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by penpen-kyoudai | 2005-10-01 00:26 | 30日目〜

30日目

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「私ペンゾー君に言いたいことがあるのに。
いつになったら出てきてくれるのかな。

ペンサク君
ペンゾー君を外に出すいい方法ない?
どうにか外に出してくれると嬉しいんだけど…」

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ころす気かーーーーーーーーっ



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by penpen-kyoudai | 2005-09-30 00:52 | 30日目〜